年長児の8月 — 入試直前期に向けた「総仕上げ」の過ごし方
入試まで残り3ヶ月。年長児の8月は、新しいことを詰め込むより「仕上げと立て直し」の1ヶ月です。学習計画の絞り込み方、朝型リズムへの切り替え、心の整え方をわかぎり21がお伝えします。
東京の私立小学校の入試解禁日は11月1日。年長のお子さまにとって、8月は本番前にまとまった時間が取れる最後の1ヶ月です。だからこそ「あれもこれも」と焦りたくなりますが、直前期の入り口で大切なのは、新しいことを詰め込むことではありません。**これまで積み上げてきた力を確実なものにする「総仕上げ」**こそが、8月のテーマです。
9月に入ると、模試・願書・面接準備が一気に重なります。じっくり学習に向き合えるのは、実はこの8月まで。ここでは、残りの夏を最大限に活かすためのポイントを整理してお伝えします。
「広げる」より「絞り込む」
夏期講習や模試を通じて、お子さまの得意・不得意はかなりはっきり見えてきているはずです。8月後半の家庭学習は、弱点分野を2〜3つに絞って重点的に取り組むのが効果的です。
- 模試・講習の解き直し:新しい問題集を買い足すより、これまでに間違えた問題をもう一度。「前はできなかったのに、できた」という経験が、自信そのものになります。
- 得意分野は維持でよい:得意なものは週に数回、感覚を保つ程度で十分。空いた時間を苦手分野に回しましょう。
- 1日の量を決めて守る:「今日はここまで」と親子で約束し、終わったらしっかり遊ぶ。メリハリが集中力を育てます。
やることを絞ると、保護者の方の不安がかえって強まることがあります。ですが、直前期に伸びるお子さまに共通するのは、「できること」が明確に増えていることです。総花的な学習より、確実な積み上げを選んでください。
生活リズムを「朝型」へ
入試本番の考査は、午前中に行われることが少なくありません。朝の時間帯に頭と体がしっかり動く状態をつくることは、ペーパー1枚分の学習より大きな意味を持ちます。
- 起床時間を一定に:夏休み後半は生活が崩れやすい時期。本番を想定した起床時間を、8月のうちに習慣にしましょう。
- 朝の10分学習:起きてから1〜2時間後に頭が最も働くと言われます。朝食後にペーパーを1〜2枚。「朝に取り組むのが当たり前」の感覚を育てます。
- 暑さと体調管理:外遊びは朝夕の涼しい時間に。十分な睡眠と水分補給は、集中力の土台です。
ノンペーパーは「毎日少しずつ」
行動観察・制作・運動・口頭試問といったノンペーパー分野は、短期間の詰め込みが利きにくい領域です。その分、毎日の暮らしに少しずつ織り込むことで確実に伸びていきます。
- 挨拶と返事:家庭内でも「はい」と返事をして動く習慣を。試験会場での立ち居振る舞いは、毎日の積み重ねがそのまま出ます。
- 手先を使う時間:ちぎる・折る・結ぶ。1日10分の巧緻性タイムを夕方に。
- お話しする時間:「今日いちばん楽しかったことは?」を毎晩ひとこと。理由まで話せたらたくさん褒めてあげてください。面接や口頭試問の受け答えは、この会話の延長線上にあります。
心の仕上げ — 「できる」を数える8月に
直前期に差しかかると、保護者の方の緊張はお子さまに必ず伝わります。この時期の声かけは、できていないことの指摘より、できるようになったことの確認を意識してください。
- 「春はここまでだったのに、こんなにできるようになったね」
- 「難しい問題に最後まで取り組めたね」
入試で最後に力を発揮するのは、「自分はできる」と思えているお子さまです。8月は学力の仕上げであると同時に、自信の仕上げの1ヶ月でもあります。
9月からは、模試で本番の空気に慣れながら、願書・面接の準備が始まります。それらに落ち着いて向き合うためにも、この8月、学習と生活の土台をしっかり固めておきましょう。わかぎり21でも、夏期講習後半や9月以降の直前期講習・模試を通じて、お子さま一人ひとりの仕上げに伴走してまいります。
文責:わかぎり21 講師陣

